〜アラサーと三十路の狭間で〜

 

わたしはある時期から自分のことをアラサーと呼ぶのをやめました。

アラサーではなく三十路やろ・・・と気付いたからです。

おそらく三十二歳になったあたりかと思われます。
アラサーと自称し二十代後半気分を味わうのはもうやめようと思ったのです。

別に三十路になったからといって急に変化が訪れるわけではありません。
突然、シミが出来るわけでもないし、ある日ふいに脂肪に包まれるわけでもありません。


加齢というのはまるでヒ素のようにジリジリと身体を犯してゆくものだ
と気付いたのが三十二歳だったのです。


気付けば、頬にうっすらシミが浮いていました。しかし、ファンデーションを塗れば隠れる程度のもの。
さして気に留めることもありませんでした。
まぁ、こんなものかと思いファンデーションのパクトを閉じました。
そして次の瞬間に、嗚呼、こうしてひとは老いを受け入れてゆくのだなと気付いたのです。


加齢は罪ではありません。

年齢を重ねた美しさはもはや尊いと言っても過言ではないでしょう。
いつかは夏木マリのようなかっこいい女性になりたいと心ひそかにもくろんでおります。
けれど、まだ若者気分を味わいたいときも多々あるのです。
特にファッション面でそれを痛感いたします。
年相応の恰好を要求される場面が増えてきたのですが、わたしはまだまだ長年培ってきた独自のセンスから抜け出せません。


いまだにウィッグをかぶるし、付け睫毛やカラコンもやめられません。
まだまだミニスカートだって履きたいし、ハイヒールはもはや一生卒業できそうにありません。
下手すると新たな若者カルチャーにも手を出してしまいそうな勢いです
(病みかわいいが流行った頃が一番危険でした)


ちなみに、現在三十二歳の筆者ですが「相変わらず細いね」などと言われて悦に浸っているかと言えばそんなことはありません。
加齢に伴い脂肪のついた下腹部を気にして毎日筋トレに励む日々です。
ここ半年ほど頑張っていますが、まったく消える気配はありません。
同世代の某友人も同じ悩みを訴えていたのでやはり老いに打ち勝つにはよほどの血のにじむようなというか

血にまみれた努力が必要と言えるでしょう。


アラサーと三十路は似て非なるものです。
アラサーと言えばなんだかいろいろ許されそうだし、身軽です。
三十路となると覚悟しなければならない問題も増えてくるというものです。
現実を見たくないという深層心理がわたしをアラサーと自称させていたのではないかと思う今日この頃です。
ちなみにここまで自己分析が出来たのはつい最近のことなので、
アラサーを卒業するには並々ならぬ挫折があるとお察しください。






只の編集長の盛れた自撮りです。
(2017.07.15)



〜美顔アプリの中毒性について〜

 

誰しも、美しくありたいと願うのが人間というものでしょう。
見苦しいよりは綺麗でいたいと思うのは至極当たり前のことです。
最近は自撮りカルチャーが普及しまくり、一般人でも当たり前に自撮りをしてインターネットの海に放り投げる時代がやってきました。
(主にSNSですね)
その際、役に立つのがスマホのアプリです。
普通にスマホのカメラで撮った写真をそのまま投稿する女性はもはや希少なのではないでしょうか。
無意識のうちに美顔アプリを利用したりしている筈です。

正直に言えば、わたしも美顔アプリは利用しまくっています。

スマホで撮った写真をそのままアップロードすることはまずありません。
個人的には普通に写メを撮った後にアプリで補正をしているのですが、その差と言ったら絶句するほどです。
スマホカメラの性能が上がりまくった加減で、無加工の写真は残酷なまでに現実を突き付けてくるのです。


「うわ、めっちゃほうれい線ヤバいな」
とか、「肌がボロボロやないか・・・」と、しばらく立ち直れないほど落ち込みます。

ですが、その次の瞬間にはアプリを開き、補正作業に移ります。
すると、なんということでしょう!!
まるで二十代の頃のような自分が画面の中に現れたではありませんか!!

もう、詐欺と言われようが構いません。
ごりっごりに加工した写真を急いでSNSにアップロードしてしまいます。
わたし、三十路でもイケてない?と詰め寄る勢いです。
そして、その写メにイイネをもらえたりすると承認欲求まで満たされるではありませんか。
アプリ万歳、アプリ最高ってなものです。
つくづく文明の利器だよなぁ、と思います。

この快感を一度味わってしまうと、抜け出すのは至難の業です。
より可愛い自分をアップロードしたいという欲求が湧いてきます。
もっと美しくなりたい、もっとイイネが欲しい、というドロドロとした感情に溺れてしまいそうになります。
これが美顔アプリの中毒性ですね。
しかし、これにはデメリットもあります。
実物と写メが別人になってしまうのです。
いくらネット上のひとを騙すことが出来ても、現実を知る者は騙すことが出来ません。
しかし、そんなことをどうこう言うひとは野暮ってものです。
このご時世に写メ=実物のひとなんて存在しないと言っても過言ではないでしょう。

たとえ「なにこれ、別人じゃね?」と思っても口に出さないのがマナーというものでしょう。

わたしは以前「誰だよwww別人じゃねwww」というクソリプを送ってきた知人をブロックしたことがあります。

乙女心は繊細なものですから、加工済みの可愛い自撮りを見つけたら、
菩薩のような慈愛に満ちた心でイイネボタンを押してあげましょう。



〜おわり〜



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